私が岩登りを始めた頃は、まだ日本には人工壁やクライミングジムはありませんでした。当時、クライミングを学ぶ方法は、社会人山岳会に入って、岩場に連れて行ってもらい、現地で登り方やいろんな技術、ロープワークなどを体で覚えていく、というやり方が一般的でした。
しかし現在、クライミングを始めようと思う方はまず、クライミングジムの門を叩く方が多いのではないでしょうか。
クライミングジムは天候や時間、季節に左右されず安全、快適にクライミングを楽しめる環境が整っていますジムの数も全国で500以上に増え、身近な存在になっています。
しかし、クライミング人口は増えてもアウトドアでのクライミングの楽しさを知らないまま、ジムでのクライミングに満足し、やがてはクライミング自体をやめてしまう人も決して少なくないのです。
ところが、アウトドアでのクライミングの魅力を知っている方は、一時的にクライミングから離れてしまう事があっても、多くはやがてクライミングの世界に戻ってこられます。
アウトドアでのクライミングはそれだけ楽しく、魅力的で奥深いものです。
私はそんなアウトドアの魅力を伝えるために微力ながらみなさんのお手伝いをしていきたいと考えております。
クライミングは老若男女だれでも楽しめるスポーツです。
自然の中でアウトドアクライミングの醍醐味を満喫しましょう。

安全のために

90 年代初頭、クライミングが急速に普及し、全国的にクライミング施設が数多く造られてれてきた頃、「クライミングはルールを守っていれば安全なスポーツであ る」と語られていました。その結果、クライミングは危険な香りのするレジャーと受け止められ、少なからない誤解を招きました。フリークライミングは従来の 岩登りやアルパインクライミングなどのスタイルと比較してはるかに危険性が低いのは確かですが、決してクライミングが持っている固有の危険性がなくなった わけではないのです。自然の岩場では様々な危険が内包されていてたとえ現代の基準にあった強固な支点が設置されていても完全に安全が保障されているわけで はありません。(オウンリスクの原則)
私のスクールでは様々な要因による危険を予測し、自分の安全を確保できる自立したフリークライマーを目指します。

フリークライミングは基本的に危険を伴うスポーツです。講習会における安全管理には講師が充分な注意と責任を払いますが、お客様の間違いや失敗によって怪我に結び付く可能性もあります。講習会参加者はその旨を充分に理解されたうえで、講習会にお申し込みください。

フリークライミングとは

フリークライミングとはもともとロッククライミングのスタイルのひとつとして、位置づけられてきました。
「安全確保のため僅かな道具を使用するだけで自分の身体能力だけを駆使して登るスポーツ」
しかし、現在では主にコンペと自然壁の高難度追求という2つの方向性を軸に発展しているのが現状です。
また、自然壁ではスポートクライミングとトラッドクライミングに、あるいはシングルピッチとマルチピッチ、ビッグウオールなど 様々な分野に分かれています。
そして、競技スポーツとしてでなく、生涯スポーツとして取り組む方もおおく、様々な価値観と問題を抱えるようになってきています