烏帽子・駒形岩
概要
大阪よりJR福知山線道場駅まで約1時間、関西で最も親しまれているフリークライミングの岩場のひとつである。同じく道場駅近郊の古典的岩場「不動岩」の北西に位置し、烏帽子岩と駒形岩の二つを総して『烏帽子岩』と呼んでいる。
1980年代後半から開拓が進み、アプローチのよさと初中級者向きのルートが中心で、真冬でも日当たりが良ければ暖かい。
最近はクライミング人口の増加によって年中通して多くのクライマーに親しまれている。また常にKI-NET(関西岩場環境整備ネット)等の有志によって整備されている事も付け加えておきたい。
岩質 凝灰岩
主な傾斜 スラブ、垂壁
ルート本数 73本
シーズン 通年(真夏は暑い)
場所 兵庫県神戸市北区生野
交通アクセス
中国自動車道西宮北ICより国道176号線を三田方面に北上し道場駅の看板で右折、武庫川を越えるとJR道場駅まですぐ。車道から岩場に入る広場に数台駐車可能ですが、原則として道場駅前の駐車場の利用をお願いします。岩場前の車道はゴルフ場の運行路でもあり、アクセス問題も起きています。
アプローチ
JR福知山線道場駅より徒歩15分駅より三田方面へ100mほど歩くと武庫川にでる。
橋の手前の道を右折、道なりに10分ほど歩くと「道場周辺を利用しているクライマー、ハイカーの皆様へ」と書かれた看板のある広場があり、その右横の小道を入ってゆくと50mほどで岩場につく。
キャンプ&入浴
幕営不可 水、トイレは駅にあります。お風呂は道場駅周辺にはないが、近辺には北
神戸温泉、鹿の子温泉、武田尾温泉の他、有名な温泉地がたくさんある。
注意
岩は固くてしっかりしているが、最近開拓されたエリアには、上部の土壁に石が浮いているところもあり落石には充分、注意してほしい。また春秋のベストシーズンには、かなり岩場が混み合うので、お互い譲りあってクライミングを楽しみたい。
烏帽子岩
太陽がいっぱい 5.9
凝灰岩のスラブ入門ルート。初心者のフットワークの練習に最適。人口壁しか知らないクライマーには、厳しいかもしれない。取りつきは岩の左端を少し上がったところ。(60Mロープが必要、ロープのすっぽ抜けに注意)
タイムトンネル 5.10A
出だしの掘削跡部分を越えてテラスに這い上がればルート名の由来がわかるだろう。中間部のテラスで終わる人が多いが是非、上部までつないでほしい。左の「アフターバイト」も人気がある。
屋根の上のバイオリン弾き 5.10C
⑮⑯⑰の終了点から、スタートする。烏帽子岩にあっては珍しいオーバーハングの右側を豪快に越えてゆく好ルート。是非、後述の「ジャスティス」から継いで登ってほしい。
ジャスティス 5.11A
関西クライマーのイレブン登竜門的な名ルート。取りつきから核心部がよく観察できるのでオンサイトトライにも向いている。決してパワーだけでは解決できないムーブを味わってほしい。3P目から上部はランナウトしているので気を抜かないようにしたい。
ウイング 5.10C
細かいカチで豪快なムーブ。「ジャステイス」よりも難しいという人もいる。
1P目のボルトが高いので、ハング下のポケットにNPをしっかり決めてトライしてほしい。
瞳を閉じて 5.10A
烏帽子岩にあって貴重なクラックルート。短いがいろんな要素が凝縮されている。NPのセット練習にもいい。上部で「おばあちゃんのボタボタ焼き」と合流するので注意したい。
タフ 5.10D
関西最難の10Dといわれている。バランシーな下部を越えればダイナミックな中間部。核心はリーチムーブだが、それを差し引いてもいいルート。このルートも是非、オンサイトを狙いたい。
駒形岩
斜陽 5.9
一見、スラブに見えるが細かいカチが絶妙に続くフェースルート。暑いときはホールドが滑って5.9以上に感じるだろう。3P目の横に小テラスがあり、この上で落ちると足を痛めてしまう人もいるので注意したい。最後も少しランナウトしており、気が抜けない。終了点から見る景色は高度感抜群で最高だ。
イグジット 5.9
スラブから高度感のあるフェースへ、あまり登られていないがムーブの多彩な好ルート。横にある「トランジット」はクラック沿いに左に抜けていくNPルートだ。
プロミネンス 5.11B
日本100岩場で1位に選ばれたこともあるストレニュアスなフェースルート。駒形岩は夏は日当たりが良すぎ冬は寒風が吹きぬけるので、是非ベストシーズンにオンサイトトライを狙いたい。
フィギュアヘッド 5.11B
取りつきは右寄りの凹角(サイレント・ティアーズの左側)からスタート。真下にあるボルトは「ボトムライン」のもの。オブザベーションがしっかり出来れば、ルートファインティングの妙が楽しめる。最後のレイバックは勇気を出して頑張ろう。
サイレント・ティアーズ 5.11A
出だしの核心部が越えられたあなたなら、上部はきっと大丈夫だろう。これも充実感たっぷりの一本だ。プロミネンス、フィギュアヘッドと並んで駒形イレブンの3部作と呼ぶ人もいる。