Q1. 

ジムでは、そこそこリードもビレイも出来るようになったんですが、どれぐらい登れるようになったら、外の岩場にデビュー出来ますか?

A1.

出来るだけ、早い方がいいです。クライミングジムがなかった時代ではまず岩場に行っていろんな技術やルール、マナーなどをバランスよく学べたのですが、今は違います。

外の岩場には手で持ったり、足を置く場所にクライミングジムのようなカラーテープは貼ってありません。まったく別のスキルが必要だと思ってください。かなり、ジムで登れるようになってから岩場に出かけるとその違いに愕然として岩場が嫌いになってしまう人もいます。ですから、岩場デビューは早ければ早い方がいいのです。身近に岩場の経験豊富な先輩がいればいいのですが、いなければ私たちプロのガイドの出番です。必ずしも、高グレードを登れる人が岩場の経験豊富な人とは限らないので、気を付けてください。

Q2.

今度、岩場が初めての友人と烏帽子岩に行く予定です。簡単なルートなら昔に登った覚えがあるのですが、難しいルートにトライしたい場合、横から回り込んでトップロープをかけることは出来ますか?

A2.

烏帽子岩は関西の岩場の中でも、最も整備が進んでいる岩場です。途中のボルトも終了点もしっかりしていて、初心者から中級者までたくさんのクライマーが訪れています。しかし、横から回り込んでトップロープをかけられるルートはありません。最初は自分の実力よりもかなり易しいルートから登って岩場の概念をつかみましょう。ジムのグレードと岩場のグレードは最初はかなり違って感じるはずです。

岩場のグレードに慣れてから徐々に難しいルートにチャレンジしてください。

Q3.

クラック(トラディショナル)クライミングに少し興味があります。ヤフオクでカムが安く売っていたのですが、全然何も知らなくて買っても大丈夫でしょうか?

A3.

僕のスクールでは、一番最初に覚えるハンドジャムと同じサイズからそろえていくことをお勧めしています。また、パートナーとギアを共有する機会も多いので、先輩が使っているカムと同じメーカーの方がサイズや色を覚えやすいです。あまり、皆さんが使っていないギアは避けた方がいいでしょう。また、よほど目が肥えていない限り、いくら安くても中古のカムには手を出さない方が賢明だと思います。そのギアに命を託すのですから

Q4.

有名なメーカーのロープを買ったのですが、いつも使った後で絡んでしまってぐじゃぐじゃになってしまいます。他に使っている人を見ればきれいに袋に入れておられるので、私の使い方が悪いのでしょうか?

A4.

ロープのキンクですが新品の場合、大抵製造時のロール巻きの癖が残っています。そしてキンクしやすいロープ、しにくいロープ、それはメーカーや固有の商品だ けでなく、ロットによっても堅い柔らかいがあるので一言では言えません。ロールの巻きでも外側と内側では癖の付き方が違 います。新品でない場合、ビレイデバイスとの相性が一番原因としては大きいです。 対策としては、毎回使ったらこまめにロープをしごいてあげる。(回転や癖をとるようにです) さて、ビレイデバイスの原理ですがATCタイプはロープを3か所屈 曲させる事によって 制動力を生み出します。ロワーダウンの時に、真っすぐでなく斜めにロープを滑 らすと回転が付きます。 これがキンクの主な原因だと僕は考えています。 グリグリの方がキンクしにくいと言われているのは根本的にロープの通り方と制 動のシステムが違うからなんです。 対策ですが、ロワーダウンの時にビレイデバイスの角度とロープが真っすぐにな るように心がけてみてください。